ダンテ店長コラム:野良犬は、どこに消えたの?元野犬のぼくが、仲間たちの未来のために挑戦したいこと
こんにちは、イヌマルシェ店長・ダンテです。
突然ですが、家族のみなさんに聞いてほしいことがあります。
ぼくの顔と、そっくりな犬を見たことありませんか?

「あれ、どこかで見たことあるな」「うちのこに似てるな」と思った方も、いるとおもいます。
ぼくの顔、実は、どこにでもある顔です。茶色と黒がまざった、いわゆる「雑種犬」。洋犬のかわいさと、和犬のりりしさを、半分ずつ持っています。とくべつじゃない、ふつうの顔です。
家族がスマホでSNSを見ていると、ぼくとそっくりな顔の犬が、毎日ながれてきます。
でも、その犬たちのしゃしんには、こんな文字がついています。
「殺処分(さっしょぶん)」
おうちが見つからなかった犬が、いのちを終わらせられてしまうことです。ぼくとおなじ顔をした犬たちが、いま、「かぞくになってください」とお願いしているんです。
野良犬はどこに消えたの?
ぼくの家族が子どものころには、あっちこっちに野良犬がいたそうです。連れて帰っては、おかあさんに叱られて、泣きながら元の場所へもどしていたと言っていました。かわいそうなことです。
でも今、ぼくは町の中で、野良犬と会ったことがありません。野良犬は、どこへ消えたと思いますか。
1950年に「狂犬病予防法(きょうけんびょうよぼうほう)」という法律ができました。それをきっかけに、日本じゅうのまちで、野良犬をいっせいにつかまえるようになったんです。
いちばん多かった1979度は、1年で約116万頭の犬が殺処分されました。
116万頭です。ぼく、この数を聞いたとき、うまく想像できませんでした。
それから50年がたって、2024度は1964頭まで減りました。ほんとうに、たくさんの人ががんばってくれたんだと思います。
殺処分ゼロは、もう、遠い未来の話じゃありません。
今殺処分になっている犬は、ぼくにそっくり
いま殺処分されてしまう犬たちには、にたところがあります。
年をとっている。病気を持っている。噛んでしまうかもしれないと言われている。
そして、「大きい」というだけで、かぞくが見つからない犬も、たくさんいます。
……ぼくみたいな犬のことです。
大きい犬を助けるには、大きい犬をむかえられるおうちを、増やすしかありません。
でも、犬をかっているおうちの数は、令和元年からへりつづけています。
むかえてくれるおうちがないまま「殺処分ゼロ」になっても、犬はしあわせになれません。だから、おうちを増やすことが先なんです。
そこでぼくのかぞくは、ふたつのことをはじめました。
ひとつ目が、イヌマルシェです。
大きい犬は、小さい犬より、一生でかかるお金が1.5倍以上になります。そのうえ、サイズ選びに失敗して買いなおすことも多いんです。首輪も、ハーネスも、ベッドも、「大きすぎた」「小さすぎた」がしょっちゅう起きます。
だから、中型犬・大型犬・超大型犬のためだけのお店をつくりました。サイズで失敗しないように、実物大のドールでたしかめられるようにもしています。おうちのお金のふたんを、少しでも軽くするためです。
ふたつ目が、保護団体アンバサダープログラムです。これは、9月にスタートします。
イヌマルシェでお買い物をするとき、カート画面で保護団体の名前をえらぶだけで、買ったお金の3〜5%が、広告費としてその団体にとどきます。いくらとどくのかは、その場でちゃんと表示されます。
保護団体がすることは、犬をおうちに送りだすときに、チラシを1枚わたすだけ。そのチラシも、イヌマルシェが無料でつくって送ります。決まったリンクからじゃないとダメなふつうのアフィリエイトとも、どこにいくら使われたかわからない寄付とも、ちがう仕組みです。
会社は、イヌマルシェにお店を出すことが、動物を助けることになる。
家族のみなさんは、お買い物をすることが、保護活動に参加することになる。
保護団体は、活動のお金が、ずっと入ってくるようになる。
犬をおうちに送りだすという行為に、お金の流れが生まれるんです。ぼくのかぞくは、これを「共感経済」とよんでいます。
保護活動をお金の話にするなんて、と思う人もいるかもしれません。
でも、世の中には、みんなが「たいせつだ」と言うのに、だれも直せない問題があります。
なぜだと思いますか。
その問題を直しても、得をする人がいないからです。
だから、やさしい人だけががんばることになります。時間を使って、お金を使って、人生をけずって、犬を助けてくれます。そして、そのやさしさが尽きてしまったとき、問題はまた、元の場所へもどっていきます。
ぼくは、だれかがやさしさを浪費する仕組みを、変えたいんです。
かかわる人みんなが、うれしい気持ちと、ちゃんとした対価を、交換しながら続けられる仕組みにしたい。
ぼくは、用水路に捨てられていた、野犬の赤ちゃんでした。
今の家族と出会って、大きくなってから、「大きい」「大人すぎる」「元気じゃない」というだけで、かぞくに会えない仲間がいることを知って、ずっと考えていました。
大きい野犬として生まれたぼくが、仲間のためにできることって、なんだろう。
その答えが、イヌマルシェです。
ぼくとおなじ、どこにでもいる顔の犬たちが、どこにでもある家庭の、かぞくになれる未来のために。
ぼくは、頑張ります。
🐾 ダンテ店長(イヌマルシェ)より愛をこめて 🐾