「野犬」ってどんな犬?「野犬学」レポートと保護犬について考える

「野犬」ってどんな犬?「野犬学」レポートと保護犬について考える

こんにちは、イヌマルシェ店長・ダンテです。
ぼくはこの間、「野犬学」というセミナーに参加して、野犬について学んできました。
今日は、そこで学んだことを、ぼくなりにレポートしてみようと思います。

突然ですが、みなさんに聞きたいことがあります。
「野犬」というと、どんなイメージがありますか?

ぼくの家族は、「野蛮そう」「懐かないんじゃないかな」って思ってたみたいです。

いま、ぼくのおうちには、茨城県で生まれた野犬のぼくと、香川県で生まれた野犬のおねえちゃんココナッツの2匹の野犬がいるんです。ぼくの家族は、ココナッツと出会うまで、野犬ではなく普通に売られている犬と暮らしていました。

こわい。危険。なつかない。近づきたくない。そんな風に思う人も、多いんじゃないかなって思います。
そこで今日は、元野犬のぼくが学んだ、野犬と野犬じゃない犬の歴史についてお話します。

「飼い犬」と「野犬」の境界線の歴史は、たった150年!?
いまの日本では、犬は法律的に「飼い犬」か「野犬・野良犬」かのどちらかに分類されます。「飼い犬=安全・所有物」「野犬=危険・排除」という2つの箱があって、その中のどちらかに入れられます。

でも、これって、1万年の犬の歴史の中で、たった150年前に作られた考え方なんだそうです。びっくり!

縄文時代(約1万年前)、犬はそもそも人間に捕まえられたわけじゃありませんでした。人間の集落のまわりで、警戒心が低くて人間に寛容な祖先たちが、自ら共生の道を選んだんです。これを「自己家畜化」といいます。

愛媛県や神奈川県の遺跡では、人間と同等に丁重に埋葬された縄文犬の骨が見つかっています。つまり、ぼくたちの先祖は、人間にとって「所有物」ではなく「仲間」だったんです。

江戸時代、犬は「人ではなく、空間に属する」存在だった
民俗学者の柳田国男氏は、『明治大正史・世相篇』の中で、「犬は無価値だった」と書いています。これは、犬に「価値がない」という意味ではなくて、「経済的な値段がない」という意味なんです。つまり、江戸時代の犬の多くは特定の飼い主がなく、値段がつけられていない、地域全体の構成員だったということです。

その頃の犬は、長屋の縁の下で眠って、住民からおこぼれをもらって、不審な旅人に吠えて防犯を担う。「人に属する」のではなく「場所に属する」存在。それが「町犬(まちいぬ)」「里犬(さといぬ)」と呼ばれた犬たちでした。

1603年の『日葡辞書』にも「サトイヌ(里犬)」という言葉が記録されています。かつての日本には、飼い犬と野良犬の間に「町犬」という第3のカテゴリーがあったんです。

「飼い犬」が生まれたのは明治時代
1873年ごろから「畜犬規則」により、飼い主の住所・氏名を書いた名札(鑑札)の着用が義務化されました。これが生まれてから犬には「ポチ」や「カメ」という名前が付けられるようになり、この個別の名前と所有者を持たない犬は、すべてが「排除の対象」になりました。つまり、江戸時代の町犬という概念は、法律によって消滅したのです。

「狂犬病予防法」を機に、野犬の殺処分が本格化
そして1950年の狂犬病予防法制定以降、野犬の徹底捕獲と殺処分が国策として推進されました。1979年には年間約116万頭の犬が殺処分されました。116万頭。ぼく、この数字を見て、うまく想像できなかったんですが、ぼくとそっくりな顔をした犬たちがそれだけいたということです。

 

現代の野犬は「問題のある犬」じゃない。「生き延びた犬」
いま、日本で野犬がたくさんいるのは、山口県、茨城県、香川県を含む四国四県と言われています。しかし、それぞれの地域に残る野犬たちは、そのルーツが異なります。

山口県・茨城県の野犬は、約150年にわたる国家的な排除と迫害を逃れ、人間を徹底して避けることで命を繋いできた犬たちの子孫です。

一方で、四国四県の野犬は、江戸時代から生き延びた固有種ではないといわれています。これらの県の野犬のルーツは、「戦後から現代にかけて、人間の都合で捨てられた飼い犬やその子孫が野生化したもの」がその大半を占めているそうです。

ぼくは茨城県で保護された元野犬です。ぼくの警戒心も、すぐには人間に慣れなかった行動も、全部「生き延びるために必要だったこと」だったんだとわかったとき、すごく、ぼく、「あ、これは、ぼくはパパとママに似たんだな」って、なんだかうれしくなりました。

元野犬を家族に迎えることは、150年の歴史を修復することだとおもいます。
野犬学でぼくが印象的だったことがあります。それは、元野犬を家族に迎え入れること、彼らを保護しケアすることは、単なる「ペットのしつけ」ではないくて、法律によって一方的に切り裂かれた150年の空白を埋め、1万年続いた「人間と犬の無条件の信頼関係」を、現代の形で再構築する偉大な歴史的修復作業なのだ、という言葉です。

ぼくがイヌマルシェをはじめたのは、ぼくにそっくりの犬たちが「殺処分」という言葉とともに、SNSで家族を探し続けている姿をみたことがきっかけでした。

殺処分になる犬のほとんどは野犬です。そして野犬のほどんどが、中型以上の雑種の犬です。大きい犬をもっとたくさんの家族に迎えてもらいたい。そのために、大きい犬との暮らしを快適にできればなって思って、イヌマルシェを作りました。

ぼくの活動も、保護とか救済だけじゃなくて、ずっとずっとつながってきた人と犬の歴史を、もう一度つなぎ直すことにつながるといいなって、ぼく、ずっと思っています。

イヌマルシェでは9月1日より、独自の保護犬活動「ワンバサダープロジェクト」を始めました。

🐾ワンバサダープロジェクトについてはこちら

ワンバサダープロジェクトとは?
イヌマルシェでお買い物をするとき、カート画面で「応援したい保護団体」を選ぶと、自動で購入額の2〜5%が計算され、その団体への支援金として届くシステムです。
会員登録もいりません。申し込みもいりません。特別なことは、なにもしなくていいんです。

「買い物をすることが、支援になる。」ぼくが作りたかったのは、この仕組みです。
ぼくは、そのために、イヌマルシェという「流通」をつくりました。

大事なことをお伝えします。お客様のご負担は、ゼロです。
「支援金って、追加でお金がかかるの?」と思った方に、ちゃんと説明します。

支援金は、お客様の支払いからいただいているわけでも、商品を値上げしているわけでもありません。イヌマルシェで取り扱っている商品の各メーカー様のご協力と、イヌマルシェの利益から出しています。

お客様にとっては、いつも通りのお買い物です。でも、そのお買い物が、保護団体への支援になっています。

保護団体のみなさんのご負担も、ゼロです。
参加費も、広告費もいただきません。毎月の報告義務もありません。イヌマルシェから無料でお届けするチラシを、犬を新しいご家族に送り出すときに1枚渡していただくだけです。

従来のアフィリエイトのように、自分たちで発信し続けなくていいんです。欲しいものリストのように、SNSで呼びかけ続けなくていいんです。チラシを1枚渡すだけで、支援が積み上がっていきます。

それから、保護活動で必要なフードや備品をイヌマルシェで購入して、支援先をご自身の団体名に選択すれば、その購入額の2〜5%が支援金として戻ってきます。「自分たちの買い物」も支援の対象になるんです。

いま参加していただいている団体さまをご紹介します。
現在、以下の保護団体のみなさまにワンバサダープロジェクトにご参加いただいています。(五十音順)

メゾン・ド・ムック様
Instagram:https://www.instagram.com/maisondemook/
HP:https://www.maison-de-mook.com/)

一般社団法人 野犬再社会化支援機構様
https://www.instagram.com/yakensaisyakaika/

FoeverWan様
https://www.instagram.com/_forever_wan_/

WakWakSun様
HP:https://www.instagram.com/wak.wak.sun/
Instagram:https://www.wakwak-sun.com/

いつも犬たちを支えてくれる人たちに、心からの尊敬と感謝をお伝えしたいです。
ひとりでも多くの人が、もっと野犬を好きになってくれたらいいなって、ぼくは思います。

 

🐾イヌマルシェはこちら

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