DANTE REPORT
ダンテ店長コラム:犬の迷子はなぜ起きる?脱走・逸走が起こってしまう理由と、もしものときにやること
こんにちは、イヌマルシェ店長・ダンテです。きょうは、すこしこわくて悲しい、でも、犬と家族になる上で必ず知っておいてほしいお話です。 ぼくは保護犬です。茨城の野山で生まれて、保護されて、家族に出会いました。そして、ぼくは野犬にはよくいる顔の犬みたいで、SNSで、毎日ぼくのそっくりさんを見つけます。 そんなそっくり犬たちが「明日までの命です」「ずっとの家族を探しています」という投稿を見るたびに、ぼくは心がちょっと悲しくなります。そして、毎日同じくらい、「迷子です」という投稿も見ます。そこでぼくができることとして、今日は、脱走と迷子になったときについてのお話をしようと思います。 「脱走」と「逸走」って、なにがちがうの?犬の迷子のことを話すとき、「脱走」と「逸走」というふたつの言葉が出てきます。脱走は「どこか特定の場所・状況から逃げること」。逸走は「逃げて走る・逸れて走ること」です。ですので犬の場合は厳密には「逸走」という言葉が使われますが、わかりやすく両方の言葉が使われています。 つまり、家の庭の柵を越えて出てしまうのは「脱走」、お散歩中にリードが手から離れて走っていってしまうのは「逸走」に近いイメージです。どちらも、結果として「迷子犬」になってしまうことに変わりはありません。 ぼくが大事だとおもうのは「なぜ起きるか」を知ることです。理由がわかれば、防ぎやすくなるからです。 では、なぜ犬は迷子になってしまうのか?理由は大きくみっつです。 ①こわくてパニックになってしまった犬は大きな音に弱く、怯えたりパニックになることがあります。散歩中や室内にいるときでも、大きな音にびっくりして逃げ出してしまい、迷子になることがあります。 雷、花火、車のバックファイヤー、工事の音。ぼくもこういう大きな音が急にしたとき、「逃げなきゃ!」って体が先に動いてしまうことがあります。このとき、ぼくは家族を困らせたくて逃げているわけじゃないんです。ただ、こわかっただけです。 散歩中は、驚いた犬が急に暴れることでリードが手から離れてしまったり、激しく動くことで首輪が抜けてしまうこともあります。室内でも、空いていた窓や扉から飛び出してしまうことがあります。 ②においや興味に引っ張られてしまったぼくたちは鼻がとってもいいです。気になるにおいを追っていると、気づいたらどんどん遠くまで来てしまっていた、ということがあります。「ちょっとここを調べるだけ……」のつもりが、気づいたら家が見えなくなっていた、というのは犬あるあるです。 ③道具の劣化や、管理のすき間使い続けた首輪の金具がゆるんでいた。庭の柵に気づかなかったすき間があった。玄関ドアが風でひらいた。そういう「ちょっとしたすき間」が、迷子につながることがあります。下の写真は、実際にぼくのリードが壊れたときの写真です。実は、リードやハーネスの耐久年数は平均して2年くらいと言われています。 これは犬が悪いわけでも、家族が悪いわけでもないことが多いんです。でも、事前にチェックしておけば防げることでもあります。 迷子になった犬は、自分で家に帰れないことが多い「帰巣本能があるから、そのうち帰ってくるんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。でも、犬は猫ほど帰巣本能が強くありません。とくに住宅地や交通量の多い場所では、自分がどの方向にいるのかを見失ってしまうことも多くあります。 島根県出雲保健所の調査によると、無事に飼い主のもとへ返還された迷子犬のうち41%が自宅から100〜500m圏内で保護されています。迷子犬の95%が自宅から半径3km圏内で保護されています。(参考:迷子の犬をなくすために) つまり、ほとんどの迷子犬は、最初の数時間はそんなに遠くに行っていません。でも、自分では帰れなくて、どこかでひとりでいるんです。 中・大型犬の1日の移動距離の目安は1〜5km程度です。迷子になってから日が経つほど、移動範囲が広がります。だから、気づいたらすぐに動くことがとても大事なんです。 もしも迷子になってしまったら、すぐにやること ①まず、近くを探す迷子犬の多くは、脱走から30分以内には自宅から3km圏内にいます。まず、いなくなった場所のすぐ近くを中心に探してください。声をかけながら歩く、いつもの散歩コースを回るのが基本です。 ただし、こわがって逃げてしまった犬は、追いかけると余計に遠くに走ってしまうことがあります。大きな声で呼び続けるより、しゃがんで待つ、その場を動かずにいる、という方法が有効なこともあります。 ②警察と保健所・動物愛護センターに連絡する犬は遺失物として扱われるため、警察署で落とし物として管理されます。犬がいなくなった当日もしくは翌日中には届出をしてください。保健所や動物愛護センターにも連絡してください。保護されてから一定期間が過ぎると処分されてしまうこともあるので、2〜3日おきにこまめに確認の連絡を入れてください。 中型犬以上の場合は1日に5km以上移動することもあるため、隣町の警察・保健所にも問い合わせることをおすすめします。 ③動物病院にも問い合わせる交通事故に遭い、誰かが保護して動物病院に連れていっている可能性もあります。近隣の動物病院にも確認の連絡を入れてください。 ④SNSとポスターで情報を広げる目撃情報を集めるために、逃げた場所や散歩コースなど、愛犬が行きそうな場所周辺でチラシ配布やポスターを貼ってもらえないか交渉しましょう。 ポスターには、犬の写真・特徴(犬種・色)・飼い主の連絡先(携帯電話番号)を記載してください。SNSでも写真と特徴を投稿して、拡散してもらうと目撃情報が集まりやすくなります。 迷子を防ぐために、今日からできること 迷子は「まさか」のときに起きます。だから、「まさか」の前に備えておくことが大事です。まず、迷子札を首輪につけてください。名前と電話番号だけで、見つかる確率がぜんぜんちがいます。2016年の熊本地震のとき、保護された犬368頭のうち迷子札をつけていたのはたった1頭だったそうです。(参考:いまだに飼い主が見つからない「被災ペット」がいることを知っていますか?) マイクロチップも有効です。2022年6月以降、販売されるペットへのマイクロチップ装着が義務化されました。保護犬もできれば登録しておくことをおすすめします。 首輪や金具の状態は定期的に確認してください。ゆるんでいないか、劣化していないか。散歩前の5秒のチェックが、迷子防止につながります。 お散歩前のチェックについては、以前ブログでもご紹介したので、ぜひ見てみてもらえたらうれしいです。...
ダンテ店長コラム:犬の迷子はなぜ起きる?脱走・逸走が起こってしまう理由と、もしものときにやること
こんにちは、イヌマルシェ店長・ダンテです。きょうは、すこしこわくて悲しい、でも、犬と家族になる上で必ず知っておいてほしいお話です。 ぼくは保護犬です。茨城の野山で生まれて、保護されて、家族に出会いました。そして、ぼくは野犬にはよくいる顔の犬みたいで、SNSで、毎日ぼくのそっくりさんを見つけます。 そんなそっくり犬たちが「明日までの命です」「ずっとの家族を探しています」という投稿を見るたびに、ぼくは心がちょっと悲しくなります。そして、毎日同じくらい、「迷子です」という投稿も見ます。そこでぼくができることとして、今日は、脱走と迷子になったときについてのお話をしようと思います。 「脱走」と「逸走」って、なにがちがうの?犬の迷子のことを話すとき、「脱走」と「逸走」というふたつの言葉が出てきます。脱走は「どこか特定の場所・状況から逃げること」。逸走は「逃げて走る・逸れて走ること」です。ですので犬の場合は厳密には「逸走」という言葉が使われますが、わかりやすく両方の言葉が使われています。 つまり、家の庭の柵を越えて出てしまうのは「脱走」、お散歩中にリードが手から離れて走っていってしまうのは「逸走」に近いイメージです。どちらも、結果として「迷子犬」になってしまうことに変わりはありません。 ぼくが大事だとおもうのは「なぜ起きるか」を知ることです。理由がわかれば、防ぎやすくなるからです。 では、なぜ犬は迷子になってしまうのか?理由は大きくみっつです。 ①こわくてパニックになってしまった犬は大きな音に弱く、怯えたりパニックになることがあります。散歩中や室内にいるときでも、大きな音にびっくりして逃げ出してしまい、迷子になることがあります。 雷、花火、車のバックファイヤー、工事の音。ぼくもこういう大きな音が急にしたとき、「逃げなきゃ!」って体が先に動いてしまうことがあります。このとき、ぼくは家族を困らせたくて逃げているわけじゃないんです。ただ、こわかっただけです。 散歩中は、驚いた犬が急に暴れることでリードが手から離れてしまったり、激しく動くことで首輪が抜けてしまうこともあります。室内でも、空いていた窓や扉から飛び出してしまうことがあります。 ②においや興味に引っ張られてしまったぼくたちは鼻がとってもいいです。気になるにおいを追っていると、気づいたらどんどん遠くまで来てしまっていた、ということがあります。「ちょっとここを調べるだけ……」のつもりが、気づいたら家が見えなくなっていた、というのは犬あるあるです。 ③道具の劣化や、管理のすき間使い続けた首輪の金具がゆるんでいた。庭の柵に気づかなかったすき間があった。玄関ドアが風でひらいた。そういう「ちょっとしたすき間」が、迷子につながることがあります。下の写真は、実際にぼくのリードが壊れたときの写真です。実は、リードやハーネスの耐久年数は平均して2年くらいと言われています。 これは犬が悪いわけでも、家族が悪いわけでもないことが多いんです。でも、事前にチェックしておけば防げることでもあります。 迷子になった犬は、自分で家に帰れないことが多い「帰巣本能があるから、そのうち帰ってくるんじゃない?」と思う方もいるかもしれません。でも、犬は猫ほど帰巣本能が強くありません。とくに住宅地や交通量の多い場所では、自分がどの方向にいるのかを見失ってしまうことも多くあります。 島根県出雲保健所の調査によると、無事に飼い主のもとへ返還された迷子犬のうち41%が自宅から100〜500m圏内で保護されています。迷子犬の95%が自宅から半径3km圏内で保護されています。(参考:迷子の犬をなくすために) つまり、ほとんどの迷子犬は、最初の数時間はそんなに遠くに行っていません。でも、自分では帰れなくて、どこかでひとりでいるんです。 中・大型犬の1日の移動距離の目安は1〜5km程度です。迷子になってから日が経つほど、移動範囲が広がります。だから、気づいたらすぐに動くことがとても大事なんです。 もしも迷子になってしまったら、すぐにやること ①まず、近くを探す迷子犬の多くは、脱走から30分以内には自宅から3km圏内にいます。まず、いなくなった場所のすぐ近くを中心に探してください。声をかけながら歩く、いつもの散歩コースを回るのが基本です。 ただし、こわがって逃げてしまった犬は、追いかけると余計に遠くに走ってしまうことがあります。大きな声で呼び続けるより、しゃがんで待つ、その場を動かずにいる、という方法が有効なこともあります。 ②警察と保健所・動物愛護センターに連絡する犬は遺失物として扱われるため、警察署で落とし物として管理されます。犬がいなくなった当日もしくは翌日中には届出をしてください。保健所や動物愛護センターにも連絡してください。保護されてから一定期間が過ぎると処分されてしまうこともあるので、2〜3日おきにこまめに確認の連絡を入れてください。 中型犬以上の場合は1日に5km以上移動することもあるため、隣町の警察・保健所にも問い合わせることをおすすめします。 ③動物病院にも問い合わせる交通事故に遭い、誰かが保護して動物病院に連れていっている可能性もあります。近隣の動物病院にも確認の連絡を入れてください。 ④SNSとポスターで情報を広げる目撃情報を集めるために、逃げた場所や散歩コースなど、愛犬が行きそうな場所周辺でチラシ配布やポスターを貼ってもらえないか交渉しましょう。 ポスターには、犬の写真・特徴(犬種・色)・飼い主の連絡先(携帯電話番号)を記載してください。SNSでも写真と特徴を投稿して、拡散してもらうと目撃情報が集まりやすくなります。 迷子を防ぐために、今日からできること 迷子は「まさか」のときに起きます。だから、「まさか」の前に備えておくことが大事です。まず、迷子札を首輪につけてください。名前と電話番号だけで、見つかる確率がぜんぜんちがいます。2016年の熊本地震のとき、保護された犬368頭のうち迷子札をつけていたのはたった1頭だったそうです。(参考:いまだに飼い主が見つからない「被災ペット」がいることを知っていますか?) マイクロチップも有効です。2022年6月以降、販売されるペットへのマイクロチップ装着が義務化されました。保護犬もできれば登録しておくことをおすすめします。 首輪や金具の状態は定期的に確認してください。ゆるんでいないか、劣化していないか。散歩前の5秒のチェックが、迷子防止につながります。 お散歩前のチェックについては、以前ブログでもご紹介したので、ぜひ見てみてもらえたらうれしいです。...